不恰好経営 コードが1行もなかったサービス

南場智子さんの『不恰好経営」読み終わりました。

『不恰好経営」は南場智子さんが自身の半生を書いた本になっています。

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どのような会社でもそうだと思いますが、必ず危機的な時期というものがありそこがこういった社長の自伝本の面白さだと思います。そして、この危機的な時期というのが会社の創設時にあり、そこのインパクトがとても強く他の危機が薄れてしまうほどです。

というのも、DeNaは今ではSNSサービスなどIT関連を中心に様々な事業を展開していますが、創設時はインターネットオークションサービス「ビッターズ」を取り扱っていた会社です。

 

この「ビッターズ」開始時の危機的状況がすごいです。

「かなり語り飽きた感はあるが、わが社最大のトラウマであり〜」

と本文中にありでDeNaのホームページにすら掲載されている(DeNaの歴史)かなり有名な話でらしいのですが、

 

インターネットで行うサービスはサービスを開始する前に関係者でテストをします。

「開発が完了したはずのその日に、実際はコードが1行も書かれていないことが発覚したのだ」

「ビッターズ」のサービステスト時にできていると思っていたものが全くできていなかったということです。

つまり、家を作ってもらおうと設計図を送ってそれを元に家を作って欲しいと依頼し、出来上がった時期になっていざ現地を見に行ったら土地の整地すらされてない状況だったということです。

 

開発が遅れるということや、不具合が多く使い物にならないというのは様々な場所でよく聞きます。

しかし、テスト時にコード1行もできていない

つまり何もできていない

というのは今まで読んできた本の中でも1、2を争う危機的状況でその打開策も含めとても面白く読ませていただきました。

この危機的状況に対しては妙案を実行したというよりはなんとかあがいてあがいてどうにかサービス開始にこぎついた。ということでその泥臭さも良かったです。

 

DeNaの設立から退陣まで社長がどう考えどう仕事をしていたのか、もちろん脚色している部分や美化している部分もあると思いますが会社の立ち上げから退陣まで書かれており、文章表現も優しく読みやすいものになっています。

社長業ってどんなものなのか興味がある方も読んでみてください!

 

 

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